鼻水・鼻づまりとは
風邪や、花粉症などのアレルギー性鼻炎で起こる鼻水や鼻づまり……、どなたでも経験したことのあるつらく不快な症状ですね。鼻水や鼻づまりは、鼻の穴の奥から喉(のど)までに何らかの異常が発生したシグナルです。
通常、私たちは鼻で呼吸していますが、何らかの原因で鼻水が多くなって鼻のとおりが悪くなる、いわゆる「鼻づまり」になると口呼吸をしなければならなくなります。しかし、人間は年齢が低いほど鼻呼吸に依存していると言われていますから、大人でも不快な鼻水・鼻づまりはお子さん、特に赤ちゃんにとってはとても深刻な症状なのです。
乳幼児は鼻水・鼻づまりがひどいと呼吸が困難になりますし、大人のように鼻をかむこともできません。
すると、眠れなくなるため夜泣きをしたり、赤ちゃんの場合にはうまくおっぱいを飲めなかったりなど、お子さんばかりでなくご家族にとっても非常につらい状況となります。
鼻の穴から喉(のど)までの空気の通り道を鼻腔(びくう)と言いますが、
鼻腔は鍾乳洞(しょうにゅうどう)のような複雑な形をしていて、効率よく
――といった3つの機能をもっています。
鼻から入った空気は鼻腔で適度に加湿・加温され、刺激がない状態で気管から肺へと入っていきます。
この加湿・加温は鼻腔の重要な機能です。
鼻から取り込んだ空気には必要な酸素ばかりでなく、ほこりやさまざまな病気の原因となるウイルスや細菌なども混ざっているため、鼻腔は汚れた空気を浄化する機能を備えています。
鼻の3つ目の重要な機能としてにおいを感じることがあります。アロマの香りにはリラックス効果があったり、芳ばしいにおいには食欲をアップさたりなど、生活を楽しむためにも大切なにおいですが、有害物質をかぎ分けて避けるといった生命を守るためにもにおいを感じることは重要な機能です。
鼻水や鼻づまりといった症状がある時は、何らかの原因で鼻腔に異常があるわけですから、単に不快なばかりでなく、これらの重要な鼻の機能も損なわれている状態です。そこで「たかが鼻水・鼻づまり」と侮るわけにはいきません。
鼻水・鼻づまりのメカニズム
健康な方でも鼻呼吸をしている限り、鼻水はたえず鼻の粘膜から分泌され、1日に何リットルという単位で作られています。
健康な場合は、その鼻水は自然に喉にまわって、口で分泌された唾液(だえき)などと一緒に食道・胃に流れ、鼻水として自覚することはありません。 しかし、汚い空気や冷たい空気が入ると、加湿・加温したり、ほこり・ウイルスなどを外に出したりするために鼻水の分泌量が増えるので、鼻水が出ていると自覚します。
例えば、「風邪」をひいた場合、原因となるウイルスなどを排出しようと鼻水が多量に出ますし、鼻腔の粘膜が炎症を起こすので、粘膜下にある毛細血管が拡張して赤く腫れ、鼻づまりも起こります。
一方、現在多くの方を悩ませている「花粉症」の場合は、入ってきた花粉を外に出そうと大量の風邪と同様に大量の鼻水が出ますが、アレルギー反応を起こした鼻粘膜は白っぽく腫れるので、診察すれば医師にはその違いがすぐに見て取れます。