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子供の鼻水・鼻づまり

鼻水が出る原因鼻水が出る原因

鼻水と一口に言いますが、大きく分けて

①透明でサラサラの鼻水、②黄色っぽい粘り気のある鼻汁

の2つに分けることができます。

まず、透明でサラサラの鼻水が出る原因のほとんどは、「アレルギー性鼻炎」と「鼻風邪のひきはじめ」です。

スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉やハウスダスト、ペットの毛などに過敏に反応してしまうアレルギー性鼻炎では、それらの物質(アレルゲン)を吸い込んだとたんに連続するクシャミやサラサラの鼻水がタラタラとあふれ出ます。

なぜ、サラサラの鼻水が大量に出るかというと、免疫をつかさどる白血球のひとつ「リンパ球」が大量の水分を出して、鼻の中からアレルゲンを洗い流して排出しようとするからです。アレルギー体質の方は、本来なら害とはならないとある物質に過敏に反応して排出しようとするので、健康な方ならなんでもない花粉やハウスダストに反応し、結果として水のようなサラサラで透明な鼻水が大量に出ます。

アレルギー性鼻炎で生じる鼻水の特徴として、朝起きた時に特にひどいということが挙げられ、この症状はモーニングアタックと呼ばれています。アレルギー性鼻炎と長年付き合っている患者さんでは、風邪からくるクシャミや鼻水と区別ができるほど特徴的な症状です。最近では子どものアレルギー性鼻炎は増加傾向にあり、お子さんの場合は特に通年性のアレルギー性鼻炎であることが多いです。

また、鼻風邪をひいた時も、ひきはじめは透明でサラサラな鼻水が出ます。その理由は、この場合も「リンパ球」が風邪の原因菌を大量の鼻水で洗い流そうとするからです。一般的に風邪と呼ばれているものは専門的には「かぜ症状群」と呼びますが、原因菌の 80~90%はウイルスといわれています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどです。ウイルス以外では、A群β溶血性連鎖状球菌(溶連菌)、百日咳菌などの細菌や肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなどの非定型病原体があります。

アレルギー性鼻炎の確定診断のためには、鼻汁染色を行ったり、血液を採って抗体検査を行ったりします。サラサラの鼻水が出るアレルギー性鼻炎と風邪の違いは、鼻風邪のひきはじめであれば、喉(のど)の痛みや関節の痛み、倦怠感(けんたいかん)、発熱などの他の症状も伴いますし、鼻水もだんだん粘り気が出てきます。

一方、アレルギー性鼻炎の場合は、軽い頭痛や倦怠感を感じる方もいらっしゃいますが、通常、鼻症状と目のかゆみなどが主です。医師が鼻の中を覗くと、鼻粘膜が赤く腫れていれば風邪、白っぽく見えればアレルギー性鼻炎と区別できます。なお、アレルギー性鼻炎の確定診断のためには、鼻汁染色を行ったり、血液を採って抗体検査を行ったりします。

次に、黄色っぽい粘り気のある鼻汁が出る原因としては、「風邪」「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」を挙げることができます。

その細胞内に細菌やウイルスを取り込み、タンパク質を破壊する酵素を用いて細菌やウイルスを攻撃します。鼻風邪をひくと、はじめはサラサラとしていた鼻水が徐々に粘り気を帯びてきます。この粘り気のある鼻汁の正体は、免疫をつかさどる白血球の一つ「顆粒球(かりゅうきゅう)」と風邪の原因菌が戦った後の死骸=膿(うみ)です。

顆粒球は、その細胞内に細菌やウイルスを取り込み、タンパク質を破壊する酵素を用いて細菌やウイルスを攻撃します。ウイルスや細菌が付着した鼻粘膜では、その原因菌と顆粒球が激しく戦って両者の死骸が膿となって、ひきはじめはサラサラだった鼻水に粘り気を与えます。そして、透明だった色も徐々に黄色っぽく変化します。 

また、鼻の病気のひとつである副鼻腔炎でも、黄色や緑がかってドロッとした粘り気のある鼻汁が出ます。慢性副鼻腔炎は一般的には「蓄のう症」として知られている病気ですが、鼻風邪と同様に鼻の中にたまった膿が出てくるので、鼻汁は黄色っぽくドロッとして粘り気があります。子どもの場合は風邪から副鼻腔炎に進行することが頻繁にあるので、全身状態はさほど悪くなくても、黄色あるいは緑がかったドロっとした鼻汁が1週間以上続くようであれば、早めに耳鼻科を受診しましょう。

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